局長の四象です。

前回3月の旅で購入した「袞雪」の拓本です。先日、これを額に入れました。

「袞雪」の拓本

「袞雪」の摩崖石刻、これは曹操直筆の文字であると言われています。漢建安二十年(西暦215年)に陽平漢にて張魯を破った曹操は、漢中にてしばらく軍を留めました。そしてあるとき曹操は褒谷口を訪れ、褒河の急な流れを眺めたとされます。

褒河の勢い良く飛び散る水飛沫が雪のように見えたのでしょう。曹操は自ら筆を振るい「袞雪」と書したとされています。そのときともの者たちは恐れながら、「袞」の文字に三点水(さんずい)の偏が足らないことを曹操に伝えます。しかし曹操は大笑いしながら褒河の流れを指さし、「水が足らないだと。この流れは水ではないのか。」と言ったとか。

この「袞雪」の摩崖石刻は、1970年に岩肌から切りだされ、現在は漢中市博物館に「石門漢魏十三品」の1つとして収蔵、展示されています。

展示室内

切りだされた「袞雪」石刻

そして、この「袞雪」の拓本は、漢中市博物館内にて販売されています。拓本の大きさは縦約45cm、横約145cmのかなり大きなものです。購入すると木製の化粧箱に入れてくれ、収蔵カードを1枚つけてくれます。

箱と収蔵カード

さて、四象はこれを日本に持ち帰り、額縁屋で額に入れるようにお願いしました。拓本には折り目があり、シワも多いので裏打ちをしてもらうことにしました。これで折り目もシワも綺麗に伸びます。ただ、裏打ちするしないは個人の好みですので、必ずしなければならないものではありません。

額もピンからキリまでありますが、拓本のサイズが特殊なので、既成品の額を利用するのは難しいかもしれません。四象は拓本のサイズに合った額を作ってもらいました。けっこう高かったです。

そして完成

そして完成。うわ、やはり大きいです。額は縦58cm、横150cmになり、どこにでも掛けられるという大きさではないですね。でもせっかくなので、無理をして四象の部屋に飾ってみました。

さすがに大きい

なんだか壁一面に「袞雪」というような状態になってしまいました。でも漢中市博物館に展示されているものと同じですから、かなり満足感がありますよ。

曹操ファンには是非とも持ってもらいたい一品です。曹操って、観滄海といい、水飛沫ザザザーンが好きなんでしょうかね。

「袞雪」の拓本、神戸新長田の六間道五丁目商店街にある魏武帝廟内にも展示されています。興味がある方は見に行かれては。魏武帝廟の写真提供はあきよんさん icon-twitter-square です。

icon-link 三国志のまち 六間道五丁目商店街

六間道五丁目商店街の魏武帝廟