局長の四象八牛です。

夏に向けてETCカードを申し込んでみました。日本国内はあまり旅行しないのですが、たまには温泉などへ行ってゆっくりしたいという願望はあります。ただ、なかなか行動に移せないという。中国へ行くときには、何をするにしても素早いのですが。

icon-tag2018430日 蘭州~臨洮~蘭州

昨晩は、五原から夜行列車に乗り込みました。朝方にはもう甘粛省に入っています。ときどき雨がぱらついています。今日は天気がよくないようです。車窓からは甘粛省独特の風景が広がっています。昨日の内蒙古と同じような感じですが、やはり違いますね。

甘粛省の景色

列車はほぼ定刻で蘭州に到着しました。蘭州も雨ですね。そして肌寒い。ちょっと蘭州拉麺でも食べますかね。蘭州には何度も来ています。だいたい蘭州火車站前にある拉麺店で食べていたのですが、今回はその店も閉まっていました。まあ、蘭州なのでどこにでも拉麺店はあるのですが。もう面倒になってしまったので、そのまま目的地へ行くことにします。

雨の蘭州です

火車站前からバスに乗り、五泉山公園まで来ました。ここも何度か訪れたことがあります。実はここにも武侯祠があるのですよ。しかし、以前はその武侯祠の建物が事務室として使われていたようで、中に入ることはできませんでした。もちろんその頃は、孔明の像もなかったことでしょう。

五泉山公園の入口

公園に入るとすぐに霍去病の像があります。その名から病除けのアイドルとなっているようで、像の前では人民たちがひっきりなしにお参りしていました。前漢、武帝時代の将軍ですね。でも若くして病死しているんですよね。本当にご利益があるのでしょうか。

霍去病の像です

そこからしばらく登っていくと、お目当ての武侯祠があります。最近やっと改修などが行われて、本来の武侯祠として開放されたようです。さっそく中に入ってみます。お、ちゃんと孔明の像もありますね。

五泉山武侯祠の入口

武侯祠としては、小さい部類に入ります。新しく造られた孔明像、その両脇には姜維と馬超の像が立っていました。孔明と蘭州はあまり関係ないような。でも武侯祠が建てられたのには理由があります。孔明が南征時に孟獲の兄である孟節から水タバコの苗を渡されたのだとか。それを持ち帰った孔明が、その苗をこの地で栽培させたそう。そして水タバコは蘭州の特産となったとか。そして孔明は水タバコの祖として祭られているそうです。

孔明と馬超の立像

植物のことは詳しくないのですが、孔明が持ち帰った水タバコの苗は、韮葉蕓香草という植物の苗、諸葛草とも呼ばれて漢方薬ともなっているのだとか。孔明の南征時に兵が病気になったとき、孟節がこの植物を薬として兵たちに与えて治療したそうです。

韮葉蕓香草は諸葛草とも

さてと蘭州市内はこれにてお終い。今日はこれから臨洮へ行くことにします。また市バスに乗って、蘭州の南バスターミナルへ。ここから西南方面のバスが出ています。以前、甘粛省で外国人がバスに乗るときは、40元の保険を買わなければならないというルールがありました。現在はもうその保険がなくても何も言われません。ただこのバスターミナル、行き先が政治的に微妙なところばかりで少し面倒くさい。

四象は臨洮へ行きたいので、臨洮の窓口に並んでいました。順番が来て、パスポートを差し出すと「4番窓口へ行け」と言われました。その窓口は合作など甘南地区へ行くバスの窓口です。その窓口で聞いてみると、「名前とパスポート番号を書け」とノートを出されました。そしてやっとチケットを購入。まあ、外国人だけではなく、中国の第二世代身分証を持っていなければ、この手続きとなるようです。ほんと面倒くさい。

バスのチケット買いました

臨洮、この街にはまだ鉄道が通っていません。だから行くにはバスなどに乗らなければなりません。でも今は高速道路網も発達していますから、バスの所要時間も短く快適です。それに乗る人が多いですから、すぐに満員になって発車します。蘭州からは約1時間半でした。

甘粛省の蘭州拉麺は美味い

臨洮のバスターミナルに着いたのですが、まだ雨が降っています。少し寒いのでやはり拉麺を食べておきますか。バスターミナルの横にあった拉麺店に入ります。拉麺を頼むと「毛細か二細か」と聞かれます。あゝ、やっぱ本場ですね。麺の太さを聞かれるのですよ。四象は二細で。注文してほんの数分で出てきます。いいですねえ。そして美味い。

岳麓山公園へ

さて、ちょっと温まったので行動開始です。まだ雨が降っています。バスターミナルからは5路バスで岳麓山公園へ行けるようなので、そのバスに乗りました。公園の入口近くで下車、別にこの公園に用事があるわけではないのですが、目的地へ行くにはここから行くのがいいようなのです。

公園の案内地図を見ます

目的地は姜維点将台です。地元では姜維墩と呼ばれているそうで、姜維がこの地で駐屯したときの点将台跡なのだとか。とりあえず岳麓山の山頂にあるらしいので、岳麓山公園に来たわけです。ここから山登りですか。嫌だなあ。公園の案内地図にも姜維墩が載っていますが、かなり遠そう。

李耳飛昇処だとか

四象、山登りが大嫌いです。それでも頑張ってえっちらおっちらと登っていきます。途中、李耳飛昇処とかがありました。李耳とは老子のことですね。でも目的はこれじゃない。まだまだ登っていかなければダメなようです。登り続けると公園から出て、登山の車道に出てしまいました。人民に聞いてみると、まだまだ先のようです。

雨も止んで、太陽も少し顔を出すようになってきました。するとやはり蒸し暑い。山登りしているので汗が吹き出てきます。進んでも進んでも目的の姜維墩は見えません。おかしいなあ。それでも前進あるのみ。後ろから車が追い抜いていきます。すると目の前で1台の車が停まりました。その横を通り過ぎようとすると声をかけられました。「どこまで行くんだ」と聞かれたので、「姜維墩まで行く」と答えると、「同じ方向だから乗せていってやる」とのこと。もう近くまで来ているはずなので断ろうとしたのですが、せっかくなので乗せてもらうことに。

やっとたどり着きましたよ

甘粛省って、けっこう車に乗せてくれることが多いんです。他のところでは滅多にない事なんですがね。甘粛省の人たちは素朴で優しいんですかね。車に乗って進んでいきますが、まだまだけっこうな距離がありました。歩いていたら死んでいたかも。いや、助かりましたよ。

点将台内部の姜維肖像画

姜維点将台自体は新しく建てられたものですね。この場所にあった台が姜維墩だったそうで。点将台内部には姜維の肖像画が掛けられていました。まあ、たどり着いてみればなんてことはない場所なんですけどね。車のオッチャンはこれからまだ進んで行くそうで、お礼を述べてお別れです。

点将台からの眺め

さて、四象は歩いて山を降りていきます。死にそうになって登ってきた山も、降りるとなればかなり楽。車道からそれて距離が短くなるショートカット山道を歩いていきます。百度地図を見ていると、その先になにやら気になる印が。三国魏太平観遺址と書かれています。ネットで調べると曹丕の時代のものだとか。とりあえず通り道なので立ち寄ってみますかね。あらら、石碑はあったのですがぶっ倒れていますよ。残念。それ以外は畑です。奥の方のは建物の壁の跡なのか。

三国魏太平観遺址だそうで

まあ、ここは後ほど詳しく調べるとして、次の目的地へ行きますか。実は臨洮、貂蝉の故里でもあるそうで。実在の人物じゃないと言われていますが、もしかしたら貂蝉のモデルになった人物なのかもしれませんね。とりあえず街外れに貂蝉湖があって、そこに貂蝉像が立っているとのこと。山を降りて歩くのも嫌になったので、流しのタクで移動です。「メーター使って」と言ったら、「ここは使わなくても10元だけどな」と言われました。でもメーターを倒してくれましたけどね。料金は6元。まあ、地元民は習慣的に街中なら10元を支払っているんでしょうね。

貂蝉像がありました

貂蝉湖の入口、なにやら賑やかですね。明日が五一なので縁日のようになっています。そして貂蝉像もありました。んゝ、でも何かが違うな。そう貂蝉故里と言っても、本来の場所は街から離れた場所にあるんですよ。街中の湖が貂蝉にちなんで貂蝉湖と称しているだけで、ここが本当の場所ではないんです。どうしようかな。しかし山登りで体力を消耗した四象は、いったん蘭州へ戻ることを決断しました。

蘭州へ戻るバスの中で、今後の行程を考えます。やはり貂蝉故里もまだ気になります。明日もう一度臨洮を訪れましょうかね。そしてこの後数日間で乗るであろう列車の切符も12306で買ってしまいます。蘭州に戻りました。ホテルは列車に乗るのが便利かなと思い、蘭州西火車站近くに。とりあえず今晩はホテルで寝ることができます。ちなみに臨洮で宿泊してもよかったのですが、外国人でも予約できるホテルが満室だったので諦めました。

しかし疲れた四象に追い打ちをかける事態。予約したホテル、四象は蘭州西火車站からすぐ近くだと思い込み、行ってみるとフロントで「ここじゃないよ。省博物館の向かいだよ」と言われてしまいました。あゝ、そうですか。同系列で違う場所のホテルでした。そこまで歩きます。

やっとホテルのベッドで寝られる

そしてやっとホテルにたどり着きました。しかしさらにフロントでは先客のチェックインの列。身分証のチェックやらで時間がかかるんですよ。やっと四象の手続きも始まり。あゝ、もう早く休みたい。

夕飯は毒っておきます

部屋に入って、やっとちょっと落ち着きましたね。あとは夕飯を食べるくらいだけですか。もう近くの毒マクドでいいや。そして毒マクドに入ります。そうだ、どうせだからセルフオーダーの端末を使ってみますかね。何事も経験です。端末の画面をタッチ。反応がちょっと鈍いですな。それでも食べたいものを選択します。コーラはLサイズに変更してと。簡単ですね。支払いはスマホでQRコードを表示して、端末にスキャンさせます。これでお終い。いや別にカウンターで注文した方が楽かも。

できあがった毒を受け取って食べていると、スマホに通知が。微信に毒マクドの会員カードが登録できるとかなんとか。ポイントを貯めることができるとかなんとか。ちょっと登録してみましたよ。継続して使うかどうかはわかりませんけどね。いや、なんでもありですな。

ま、そんなこんなで今回はいろいろと試したりしています。さて、ホテルに戻って汗まみれになった身体を綺麗にしましょう。車中泊なんて続けるもんじゃないですね。あゝ、シャワーが気持ちいい。そしてベッドで寝るのが気持ちいい。明日もまた頑張りましょう。それでは、おやすみなさい。

icon-checkちょっとお知らせ

2017年9月30日に、三国志旅游局から三国遺址探訪叢書「蜀漢咽喉・漢中」という書籍を発行しました。陝西省漢中市および勉県に残る三国志遺跡18ヶ所をまとめた書籍です。興味のあるかた、これから漢中へ行ってみようと思われている方は、是非ご購入ください。

三国遺址探訪叢書「蜀漢咽喉・漢中」